大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(あ)2968 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人長崎祐三の上告趣意は、単なる法令違反の主張で、刑訴四〇五

条の上告理由に当らない。(関税法三条によれば輸入貨物には関税定率法により関

税を課す旨定めているが、同法別表輸入税表一一四〇は「紙幣、銀行券」を無税と

している。紙幣銀行券は無税ではあるが関税法上貨物であることはこれによつて明

らかである。紙幣銀行券が外国為替及び外国貿易管理法において支払手段として取

扱つているからといつて、右関税法並びに関税定率法の適用を排除すべき謂われは

ない。銀行券を関税法に規定する貨物に当るとする原判示は正当である。また原判

決が所論出入国管理令違反罪と関税法違反罪を併合罪の関係にあるとしたのは正当

である。)

被告人Bの弁護人池内判也の上告趣意第一点は、違憲を云うも、その実質は単な

る法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。のみならず、第

一審判決が所論の点について正当な法律の適用をしていることは、同判決自体にお

いて明らかであり、所論の様な法律適用の誤りや欠缺はない。

同第二点は、違憲を云うも、所論刑訴規則二三六条の規定は憲法七七条に定める

最高裁判所の権限の範囲内に属し、且つ直接には、刑訴法三七六条の委任によつて

制定されたものであつて、法律が一定の規定の制定を最高裁判所に委任することは

憲法の禁ずることでないことは、当裁判所大法廷判決(昭和二五年一〇月二五日宣

告、集四巻一〇号二一五一頁以下)の趣旨に徴し明らかである(なお同旨の昭和二

六年二月二三日第二小法廷判決集五巻三号四五〇頁以下参照)。論旨は採るを得な

い。

同第三点は、量刑の非難で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

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同被告人の弁護人山崎信義の上告趣意第一点は、違憲を云うが、実質は単なる刑

訴法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(記録によれば被

告人は原審で昭和三二年八月三一日制限住居を大阪市c区de丁目f番地と定める

保釈決定を受け、同年九月三日釈放されたものであつて、被告人に対する控訴趣意

書提出最終日指定の通知書は右制限住居で被告人の同居の家族が受取つたことが認

められ、且つ所論収容の事実が送達当時裁判所に明白であつたと認めるに足る資料

もないから、その送達が適法有効なことは当法廷の判例《昭和二九年三月二〇日決

定・集八巻三号二八〇頁以下参照》に照らし明らかである。のみならず、記録によ

ると被告人の原審弁護人が期限内に控訴趣意書を提出し原審第一回公判期日に之に

基いて弁論し、被告人に対する控訴趣意書提出最終日の通知に関し、弁護人も被告

人も異議がない旨述べていること明らかであるから、かゝる場合刑訴四一一条を適

用する限りでないこと当法廷の判例《昭和二八年一二月一九日決定集七巻一二号二

五八八頁以下》に示すとおりである。)

同第二点は、量刑の非難で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三五年一〇月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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